重症熱性血小板減少症候群(SFTS)対応について

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、マダニにより媒介されるSFTSウイルスによる感染症です。感染したネコやイヌからも人に感染することが報告されています。
人に感染した場合の致死率は27%と報告されており、獣医師の死亡事例もあります。
ネコでは致死率は約60%とされています。
イヌでは致死率は約40%とされています。
現時点で伴侶動物における治療法は、対症療法のみとなります。

SFTSの危険性に鑑みると、個人防護服(PPE)の準備や感染動物の入院管理施設の確保などのSFTS対策が無い動物病院については、獣医師及び愛玩動物看護師、スタッフ、またお預かり中の動物や他の飼い主様の死亡リスクが現実的に考えらえます。
獣医師及び愛玩動物看護師、スタッフ、お預かり中の動物や他の飼い主様がお亡くなりになった場合、動物病院の安全配慮義務違反として、動物病院が感染されたご本人や飼い主様やご遺族様に賠償責任を負担する可能性もあります(過去には新型コロナウイルスの感染につき、雇用主に責任を認めた判例も存在します)。
上記のように生命及び財産的損害が生じる可能性が具体的に存在することを前提とすると、対応が不可能な動物病院には、SFTS疑い症例に対して、獣医師法19条に定める診療を拒む正当な理由があると考えられます。
よって、獣医師の判断で診療を最初から、又は途中からお断りする可能性がございます。

診療をお断りする場合には転院先をお伝えいたしますが、SFTS症例の受け入れ可能な転院先が限られていることから、移動に伴うペットの健康への負担や飼い主様への時間的負担が生じることは予めご了承ください。
SFTSに対応できる動物病院において動物に適切な診療を提供し、人や動物の生命を守るためにもご理解いただきますようお願いいたします。

SFTSは危険性の高い人畜共通感染症であるため、動物の生命及び飼い主様の生命身体を守るために適切な転院先にて治療することをお勧めします。
治療されない場合、ペットが死亡するだけではなく、飼い主様がSFTSに感染して死亡する可能性や、他の動物もSFTSに感染して死亡する可能性があります。
また、体液を介した人から人への感染例も確認されており、他人への感染の可能性が無いとはいえず、その場合死亡する可能性があります。
治療されない場合、このような人及び動物への生命身体へのリスクは飼い主様の判断結果として受け入れていただくことになります。

費用について

SFTS疑いの症例を動物病院で診療する場合、個人防護服(PPE)、加熱滅菌処理、消毒といった対応が必要になります。このようなSFTS疑いの症例に対応するための費用を通常の診察料に加えて飼い主様にご負担いただきます。